経済・企業 半導体 需要大爆発
インタビュー 日本のアナログ半導体の中心的役割を目指す=貝沼由久・ミネベアミツミ会長兼社長
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貝沼由久 ミネベアミツミ会長兼社長 「日本のアナログ半導体の中心的役割を目指す」
<インタビュー>
日本の多くの半導体メーカーが事業縮小や撤退をしていく中、ミネベアミツミは半導体事業を積極的に強化している。
(聞き手=村田晋一郎/斎藤信世・編集部)
── 半導体を手掛ける経緯は。
■30年以上前はメモリーをやっていたが1993年に撤退した。その後、半導体とは縁がなかったが、2017年に買収したミツミ電機の事業にアナログ半導体があった。売却も考えたが、ミツミの事業再生を考えていくうちに、アナログ半導体も面白いと思い、コア事業「8本槍(やり)」の一つに加えた。
── ミツミのアナログ半導体をどう評価したのか。
■当社の8本槍の定義は、主力のベアリングが典型だが、まず市場規模が大きい。その中のニッチな領域で、当社の技術が生かせること。加えて、その製品がなかなかなくならない。さらに当社の他の製品と「相合(そうごう)(技術の融合)」ができること。アナログ半導体も絶対になくならないデバイスで、ミツミはニッチな領域で高いシェアを獲得している。そこで、アナログ半導体を精力的にやっていくことにした。
── アナログ半導体のニッチな領域とは。
■具体的にはリチウム保護、車載電源、MEMS(機械要素部品)などで、例えば携帯電話のリチウムイオン電池の保護ICでは、世界シェア7割を獲得している。
── 20年にエイブリック(旧セイコーインスツル半導体事業)を買収した。狙いは。
■ミツミはリチウム保護が強く、エイブリックは車載電源に強い。事業の重複がなく、良い事業ポートフォリオが構築できる。また、アナログ半導体は機能の作り込みが必要で、日本人が得意とする領域だが、日本に強いアナログ半導体メーカーがない。日本のアナログ半導体メーカーが結集し、大きくなっていけば面白いという思いもあった。M&A(企業の合併・買収)の機会は常…
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週刊エコノミスト
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