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監査法人を強くするには再編・淘汰が必要=手塚日本会計士協会会長
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手塚正彦 日本公認会計士協会会長 「金融庁検査への一本化は形式的な監査に陥るリスク高い」
<INTERVIEW>
公認会計士登録の法制化や官への検査一本化について、日本公認会計士協会の手塚正彦会長に聞いた。
(聞き手=編集部)
── 金融庁の金融審議会・公認会計士制度部会で上場会社の財務監査を行う監査法人・公認会計士に、公認会計士法上の登録にすべきという報告がまとまった。
■理由はふたつある。ひとつは、今の日本の上場会社監査事務所の登録制度は、自主規制機関である協会に任されているという点で国際的に珍しいこと。日本は2007年から登録制を導入し、日本公認会計士協会が会則に基づく制度としてその運用を担ってきた。つまり協会の自主規制となっている。海外では、自主規制のみに任せているところはない。多くは、国が直接ではなく、国や監査業界から独立した機関を設けて、そこに人と財源を集めてやっている。もうひとつの理由は、大きな粉飾決算が何年かに1度起こり、また、大企業でなくても粉飾決算が絶えないなか上場廃止になる会社が出ている現実を踏まえて、協会の自主規制と証券取引所による規定だけで、十分かという議論があった。
── 登録の法制化には、反対ではなかったか。
■反対ではない。私が、一番避けたかったのは、協会の「品質管理レビュー」と公認会計士・監査審査会の検査が併存している現状を変えて、金融庁検査に一本化することだ。これは「会計監査の在り方に関する懇談会(在り方懇)」で出てきた意見だが、明確に反対した。
民間の活力を阻止する
── なぜか。
■監査法人の日常の業務運営や品質管理の状況のモニタリングは、現状、協会が品…
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週刊エコノミスト
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