《緊急特集》小麦「史上最高値」の最悪シナリオ ロシア、ウクライナの輸出途絶に干ばつも…=柴田明夫
有料記事
2月24日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、米シカゴ穀物取引相場は急騰している。小麦先物(期近)価格は1ブッシェル=9ドルを突破し、9年ぶりの高値を更新した。大豆、トウモロコシ価格も急騰。ウクライナ情勢の混乱長期化予想に加えて、今夏は米中西部に干ばつ予想があり、世界の穀物供給は最悪のシナリオとの見方もある。
米国、カナダの小麦生産は干ばつで大きく減少しており、世界最大の小麦輸出国となっているロシアは、小麦の輸出制限を強化している。このためウクライナは小麦とトウモロコシ輸出量を前年比4割以上拡大し、国際市場の“冷却剤”的な役割を果たしてきた。ウクライナ産小麦はエジプト、モロッコ、イエメンなどに輸出されており、ロシア産小麦と合わせ世界の小麦輸出量約2億トン強の約3割を占めている。途絶すれば影響は甚大だ。…
残り85文字(全文439文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める