《戦時経済》【ウクライナ侵攻】プーチン論文「ロシアとウクライナは一体」はご都合主義の歴史観
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ロシアはなぜウクライナ侵攻というあまりに非合理な決定を下したのか。その本当の理由はプーチン大統領自身にしか分からないが、昨年7月にプーチン大統領が発表した論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」に、そのヒントが隠されている。プーチン大統領が自身の名前で、ロシア大統領府(クレムリン)のウェブサイトに公開したものだ。>>>「戦時経済」特集はこちら
この論文はかなり長大であるが、その内容は「歴史編」と「現代編」という二つのパートに分けることができる。前半の歴史編では、キエフ・ルーシ(9~13世紀のキエフ大公国)以来の1000年を超える歴史を概観したうえで、「ウクライナ人」という民族はソ連時代に作られたものに過ぎないというプーチン大統領の解釈が示されている。
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