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週刊エコノミスト Online 戦時日本経済 

《戦時日本経済》坂本幸雄・元エルピーダメモリ社長 アナログと単一機能半導体が「電子立国」再建の鍵になる

 <INTERVIEW>

 世界の強豪メーカーと渡り合った旧エルピーダメモリ。坂本幸雄元社長に日本の半導体復活の可能性を聞いた。

(聞き手=浜田健太郎・編集部)

── ロシアのウクライナへの侵攻によって、2022年度の日本経済にもマイナス影響が予想されている。半導体分野はどうか。

■欧州のマクロ経済に急ブレーキが掛かっている。ぜいたく品の購買が止まり、消費市場が凍結している。ロシアも同様だ。中国市場も弱くなっている。半導体を使う製品としてスマートフォンの21年10~12月期の出荷は前年同期比で11%落ち込んでいる。パソコンも昨年比で4~5%落ち込んでおり、半導体搭載製品は全体でかなり落ちると想定されている。

── 米国や日本はどうか。

■日本は、ずっと横ばい状態だが、消費者向け製品が落ち始めてきている。唯一元気がいいのは米国だけど、株価が大きく下落しており個人消費に影響するだろう。加えて、利上げがリスクだ。米国が落ち込めば、世界不況に陥りかねない。

政府支援は小さすぎる

── 政府が半導体の支援策を打ち出した。新工場や既存工場に補助金を支出する。

■台湾積体電路製造(TSMC)が熊本に建設する新工場(ソニー、デンソーによる共同出資)に4000億~5000億円支出すると報じられているが、金額が小さすぎる(編集注:21年度補正予算で半導体基盤整備に7740億円計上)。米国では5年間で520億ドル(約6兆円)支出し、民間企業のTSMCは3年間で1000億ドル(約11・8兆円)を単独で投資する。世界の動きに比べて日本の支援策の金額は小さすぎる。

── 熊本の工場では22~28ナノメートルの微細化技術による…

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