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4月開始! 自治体の「マンション管理計画認定制度」攻略ポイント=須藤桂一/原田浩史
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行政の「認定制度」 17項目で管理の良しあし判断 解説&チェックポイント=須藤桂一/原田浩史
「マンションは管理を買え」──。そんな言葉がちまたでささやかれるようになって久しいが、これが現実味を帯びることになりそうだ。
改正マンション管理適正化法が2020年6月に成立した。この法律は、マンションの管理不全を抑制することを主たる目的とするもので、制定された00年当時は、管理会社の横領事件など、マンション管理がさまざまな意味において社会問題化していた時期でもある。制定後の改正は特になく、初めて大きな改正に踏み込んだ。
今回の改正を要約するならば、分譲マンションの管理組合に対して、主体的管理をこれまで以上に強く求め、行政の関与も明確化された、ということになる。そして、その軸の一つとなるのが、今年4月1日にスタートしたマンションの「管理計画認定制度」である。
問題あれば名前公表も
この制度は、マンション管理組合が定める管理計画が、行政(国、市と東京23区、それ以外は都道府県)が示す審査基準を満たす場合、適切な管理計画を有するマンションとして「認定」するというものだ。各マンションが具体的な申請手続きを行うのは、行政からの要請があってからとなる。また、行政によっては23年度以降にずらして実施するところもあるようだ。
ここで念頭に置くべきことは、この制度は、東京都が条例で実施した旧耐震マンション(1983年12月末より前に新築された6戸以上のマンション)を対象とする「管理状況届出制度」とは異なり、すべてのマンションについて、法律に基づいて国から任を受けた各行政が実施するということである。具体的な罰則規定はないものの、要請に従わないマンションに対し、行政は勧告を行うことができるため、問題のあるマンションについては、名前を公表するなどの措置が講じられる可能性もある。
審査結果は具体的な評価として示されるため、その良しあしで「マンションのグレード(階級)化」が実現することになるのだが、住宅金融支援機構が4月から長期固定住宅ローン「フラット35」で、認定されたマンションに対して金利を0・25%引き下げることを決定したほか、マンションの売買価格にも影響を与えたりするのではないかと、まことしやかにうわさされている。
現在、日本マンション管理士会連合会(日管連)が実施する「マンション管理適正化診断サービス」の評価を、共用部分の保険見積もりに反映させるといった取り組みが一部の保険会社で実際に行われている。そのため、将来的には管理計画認定制度の認定も、共用部分の保険料率に影響する可能性が考えられる。
管理計画認定制度の審査項目は17あり、市区や都道府県によって独自の項目が加わる可能性もある(表1)。審査項目を大きく四つに分け、それぞれの概要と審査のポイントを解説したい。
ポイント(1) 管理組合の運営
管理組合の運営に関しては、管理者などが定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていることが審査の対象になるようだ。
これらの事項を確認するために、総会の議事録や管理規約の条項も参考資料として調査される。特に、集会(総会)は、マンションの意思決定における最高機関であり、少なくとも年1回開催しなければならないことが法律で定められている。
ポイント(2) 管理規約
管理規約は“マンションの憲法”とも称される存在であり、マンションの管理にはさまざまな法令の理解が必要になるが、区分所有者はマンションで暮らすに際して、まずはこの管理規約を順守することが求められる。
管理規約の審査内容としては、まず管理規約がきちんと作成されているかだ。規約の改正に伴い、区分所有者などが全体を把握できるように作成が行われているかもチェックされる。なお、作成されている管理規約が、国土交通省が定める「マンション標準管理規約」にのっとっているかどうかは、審査対象にはならないようだ。
災害などの緊急時や管理上必要な際の専有部分への立ち入り、修繕などの履歴情報の管理などについて、管理規約で定めているかもポイントとなる。特に前者は災害が頻発し、住民の安否確認が必要不可欠になる場面や、孤独死が増えている現実に鑑み、この点が審査項目になっているようだ。
最後に、管理組合の財務・管理に関する情報の書面交付(または電磁的方法による提供)について定められているかも重要だ。これは、住民(基本的には区分所有者)や利害関係者(不動産業者など)が、必要があって情報の閲覧を求めた場合、それに対応できる体制が整っているかを審査するものだ。ただし、実際に書面交付が実行されているかどうかについてまでは確認しないようだ。
ポイント(3) 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が、適切に経理区分されてい…
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