火力発電所の続々廃止で日本が迎える電力危機=岩間剛一
有料記事
廃止が相次ぐ老朽火力発電所 揺らぐ日本の電力安定供給=岩間剛一
国内で老朽火力発電所の廃止が止まらない。電力自由化で厳しい競争にさらされる電力会社にとって、火力発電所維持のコストがかかるためだが、急な電力需給の逼迫(ひっぱく)への備えを失うことにもつながる。実際、今年3月には東日本で電力需給が逼迫し、ブラックアウト(大規模停電)寸前にまで至った。非常時の電源として火力発電所を維持する新たな仕組みを検討するべき時に来ている。
東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が50%ずつ出資するJERAは3月31日、保有する火力発電所のうち9基を廃止することを発表した。廃止する火力発電所は、石油火力発電の大井火力発電所1~3号機(東京都)、LNG(液化天然ガス)火力発電の横浜火力発電所5、6号機(神奈川県)、知多火力発電所1~4号機(愛知県)であり、合計した発電能力は383万キロワットと大型原子力発電所の4基分にも達する。
残り3640文字(全文4052文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める