経済・企業

《シェアで書店主》ビジネスモデル解剖 小売店であり、コミュニティー 棚貸し本屋の“肝”はバランス=和気正幸

 本屋が減っている。そう聞いたことは誰にでもあるだろう。実際、出版科学研究所の調べによると1999年には全国で2万店以上あったのが2020年には約1万店にまで減っている。この20年でほぼ半分になってしまったわけだ。

 そんな状況下でも小さいながら個性的な光を放つ「独立書店」と呼ばれる店が増えている。誰も統計をとっていないので確実ではないが、筆者が把握している限りでもここ数年で増え続け、20年には35店、21年には76店も開業した。

 その中でも、新しい業態として注目を浴びているのが「シェア型」あるいは「棚貸し」と呼ばれるスタイルの本屋だ。21年末時点で約40店も生まれている。筆者もBOOKSHOP TRAVELLER(ブックショップ・トラベラー)という棚貸し本屋を18年から東京都世田谷区の下北沢で運営している。(地図の拡大はこちら)

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