テクノロジー

《EV・日本の大逆襲》日本市場を席巻する中国製EVバスの強み

公共交通の電動化

 日本のEVバスのシェア約7割を占めるBYDジャパン。航続距離を強化した新型2種の投入を発表するなど快進撃が続く。

国内を席巻するBYDバス30年までに累計4000台=編集部

 中国の電気自動車(EV)大手BYDの日本法人ビーワイディージャパンは5月、日本市場向けの新型EVバスの発売を発表した。小型EVバス「J6」と大型EVバス「K8」で、2023年末に納車を開始する計画だ。同社は日本国内で累計64台のEVバスの納入実績があり、国内の電気バスのシェアは約7割。30年までにEVバスの累計販売台数4000台の販売目標を掲げる。

 同社は15年、中国の自動車メーカーとして日本で初めてEVバス(京都府の路線バス)を納入。20年に納車を開始したBYD初の日本仕様車「J6」などのEVバスを、路線バスやコミュニティーバスなどの用途で販売してきた。

 今回発表した新型EVバスには、BYDが21年に発表した新型の「ブレードバッテリー」を採用。最新型のリン酸鉄リチウムイオン電池が用いられており、高い安全性とエネルギー密度を両立したという。J6は航続距離約220キロ(現行型200キロ)、K8は同270キロ(同250キロ)と、性能をそれぞれ向上させた。

 また、バッテリーを床下に配置することで、室内空間をより広く、快適に過ごせるレイアウトを実現。K8は車内後部まで段差のない「フルフラット」をEVバス…

残り602文字(全文1202文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事