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欧米のインフレ懸念「過度な悲観は必要ない」 加藤勝彦・みずほ銀行頭取
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加藤勝彦・みずほ銀行頭取にインタビュー
「過去を繰り返さない」しっかり行員に伝えていく
新型コロナウイルス感染の長期化やウクライナ情勢など、世界経済を取り巻く環境は不透明感が強い。4月に頭取に就任した加藤勝彦氏は、どのようにこの難局を乗り切るのかを聞いた。
(聞き手=浜條元保、構成=斎藤信世・編集部)
── ウクライナ危機などで世界経済は不確実性を増している。
■極めて不透明だ。通常は(メインの)リスクシナリオを作り、それよりリスクの高いサブシナリオ、さらにリスクが高い「ホラーストーリー」(最悪シナリオ)を作るが、メインと同じくらい、サブの現実味が高いのがこの1年だと感じている。世界がブロック経済化していく中で、地政学上のリスクを特に警戒すべきだ。
その意味では、外債の投資ポジションもコントロールしなければいけない。2014年にロシアがクリミア半島に侵攻して以降、当行はロシアに対するエクスポージャー(投融資残高)は大幅に減らしているので、欧州の金融機関より影響は小さかったかもしれない。しかし、今後どうなっていくかは分からないので、緊張感を持って臨む。何より大事なのは、ロシアには現地法人があるので、行員の安心安全を守っていくことを「一丁目一番地」と考えている。
── 現法の業務は通常通り行われているのか。
■「通常通り」は難しい。基本的には制裁のルールに従って行う。かなり限定的に対応している形だ。しかし、(ロシアに)進出している日系企業の関係者の決済の責任は、我々にある。しっかりと取り組んでいく。
── 欧米を中心にインフレが高進している。米連邦準備制度理事会(FRB)は急速に金融引き締めにかじを切っている。影響をどうみるか。
■景気後退は気になる。FRBは政策金利を年内3%未満まで引き上げる…
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週刊エコノミスト
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