林真理子理事長誕生で「日大型ガバナンス」は機能するか=磯山友幸
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日本大学の新理事長に、卒業生で作家の林真理子氏が就任した。現職の理事長と理事が逮捕されるという前代未聞の不祥事で失墜した信用を回復できるのかどうか。まずは林氏が主導する理事会がどんな役割を担うのか、そのガバナンス体制が注目される。
理事長に圧倒的権限
田中英寿・元理事長は2008年から13年にわたって日大に君臨し、ワンマン体制を強いてきたとされる。その間も数々の金銭疑惑が指摘される中で、権力を維持できたのは、大学など学校法人特有のガバナンス制度があった。理事長に圧倒的な権限が集中し、理事長への監視・監督が空洞化することを許すような制度になっているのだ。
学校法人の理事会の選定方法は、「寄付行為」と呼ぶ定款に定められ、学長や付属高校長、学部長などの教員代表、職員代表、卒業生代表などが就任するケースが多い。いずれもそれぞれの立場を代表しているだけで、「経営のプロ」が集まっているわけではない。
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週刊エコノミスト
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