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週刊エコノミスト Online 世界経済総予測’22下期

習体制3期目 中華民族「復興の夢」の着地点とは=川島真

 異例の3期目を迎える習近平体制。「総書記」ではなく「党主席」になるかどうかも重要なポイントとなる。

「ポスト習」の人事が焦点

陳敏爾氏ら名が挙がる4人=川島真

 5年に1度の中国共産党大会が今秋に開催を控える。第20回となる今大会は、習近平総書記が異例の3期目を迎えるのかどうかをはじめ、党幹部の人事の行方が大きな話題となっている。

 特に、今回は「特別な人事」として注目される。現在の人事は、江沢民・胡錦濤政権期に形成された「(党内の)民主的な」人事制度が崩れ、反腐敗運動による粛清と、習氏との縁故(「子飼い」重視)に基づく抜てきによるものが主流となった。これにより、人事の予測可能性が大きく後退してしまった。

 また、江沢民期以降、中国共産党には、最高指導部のメンバーが党大会時点で68歳を迎えていた場合は引退する、いわゆる「68歳定年制」の慣例がある。また「党政領導幹部職務任期暫行規定」の第6条によれば、党幹部は同一職務を3期続けて継続することはできない。これらの存在が、さらに予測を難しくしている。

 68歳定年制については成文化されておらず、適用条件が不分明だ。しかし、もし習近平氏が3期目を迎えるなら、少なくとも党政領導幹部職務任期暫行規定違反になるのかも不分明だ。このようなさまざまな「不透明さ」が、今回の人事が注目される理由となっている。

 では、具体的な人事はどうなるのか。まず68歳定年制が厳格に適用されるのなら、党最高指導部である中央政治局常務委員の7席(トップ7)のメンバーでは習近平氏、栗戦書(りつせんしょ)氏、韓正氏が、また国家副主席であり“ナンバー8”ともいわれる王岐山氏の引退が予測される。

 しかし、習氏の残留がほぼ明らかであり、昨今、王氏が国家副主席として外交活動を行っていることに鑑みれば、必ずしも68歳定年制が厳格に適用されるわけではないと考えられる。そのため、74歳の王氏と71歳の栗氏は引退となるだろうが、今年68歳になったばかりの韓氏については残留の可能性がある。その場合、トップ7では一つしかポストが空かないことになる。もし、常務委員の人数が2012年以前のように9人(トップ9)となるのなら、3ポストが空席になる。

丁薛祥氏、李希氏も

 次に常務委員の役職の問題である。党政領導幹部職務任期暫行規定の第6条が常務委員レベルにも厳格に適用されるとすれば、3期目を迎える総書記の習氏と、党序列2位で首相(国務院総理)の李克強氏をはじめ、6人の常務委員が同じ職を続けられないことになる。李氏は22年3月の全人代後の恒例記者会見で23年春には首相を退任することを明言している。ただ、67歳という李氏の年齢からすれば、常務委員のまま栗氏の後任となることも考えられるだろう。

 後任となる首相は、23年春の全人代で最終的に決定する。これも未知数ではあるが、前例に鑑みれば首相となるのは副首相経験者だとされている。だとすれば、年齢も考慮すれば、韓正氏、胡春華氏、汪洋(おうよう)氏らが候補となるが、次期の常務委員である人物を考えれば、まずは汪氏、もし68歳定年制が厳格に適用されなけ…

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