週刊エコノミスト Online 少子化の高校野球
高校野球を支える中学硬式クラブは保護者負担が頼り(編集部)
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現在、高校の硬式野球部に入る子どもたちは、小学生の学童軟式野球チーム→中学校の軟式野球部→高校野球部、もしくは学童軟式野球チーム(学童硬式野球チーム)→中学硬式クラブチーム→高校野球部という二つのパターンがほとんどだ。
中学校の軟式野球部出身者は、公立高校の野球部に進む場合が多く、中学硬式クラブチーム出身者は、私立の野球強豪校に進む子が多い。
高校野球の甲子園大会は、外側が皮革で中がコルクを糸で巻いた硬式ボール(非常に硬い、基本的にプロ野球と同じボール)を使う硬式野球で行われるので、中学生の段階で硬式ボールに慣れていた方が、高校に入学してから技術的に有利といわれる。軟式野球はゴム製の軟式ボールを使う。中学軟式野球部から高校野球部に進む場合は、ボールに慣れる期間が必要であり、肩・肘などの故障にも注意する必要がある。
中学硬式クラブチーム出身者が地元の私立強豪校に進学するとは限らず、甲子園に出るチャンスを求めて、他県の私立強豪校に進学する子も多い。このため、私立強豪校では、試合のベンチ入りメンバーや野球部員の大部分が、他の都道府県出身者というケースも珍しくない。
多くの強豪校はすでに全国規模で野球が上手な中学生を集めており、「甲子園出場は、有望な中学生をどれだけ集められるかにかかっているといってもよい」(あるスポーツライター)という。
中学校の軟式野球部員は激減しているが、中学硬式クラブチームは「チーム数も部員もそれほど減っていない」(関東のクラブチーム監督)。「最近の小学生は、部員数も少なくあまり練習環境もよくない公立中学の野球部よりも、より環境の整った硬式クラブチームに入る子が増えている。ただし、それでもクラブチームの入部希望者は以前に比べて減っている」(同)という。
保護者の“手伝い”が前提
現在、中学硬式クラブチームは、ボーイズリーグ、シニアリーグ、ヤングリーグ、ポニーリーグなど複数の団体があり、例えば、ボーイズリーグ(公益財団法人日本少年野球連盟)は、全国で約725の加盟チームを持つ。各団体のクラブチーム合計は約1500といわれる。
大部分のクラブチームは、自主的…
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