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イプシロン初の商業打ち上げで失敗、JAXAは情報公開と対策が急務 鳥嶋真也
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月12日、小型ロケット「イプシロン」6号機の打ち上げに失敗した。日本の主力ロケットの打ち上げ失敗は、2003年のH2Aロケット6号機以来で、イプシロンの打ち上げ失敗は初めて。
イプシロン6号機は10月12日9時50分、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)から打ち上げられた。ロケットは3段式で、1、2段目の飛行は順調だったが、2段目と3段目の分離の可否を判断する時点で、ロケットの姿勢が異常な状態であることが判明。正常に飛行できないと判断し、JAXAは地上からロケットを破壊する指令を出した。現時点で失敗の原因は分かっていないが、JAXAは「姿勢に異常が生じたことから、姿勢制御に関わる部品を中心に調べる」としている。
試練
イプシロンはJAXAが開発した小型ロケットで、小型の衛星を効率よく打ち上げることを目指している。13年打ち上げの試験機1号機から5号機まで連続成功していた。
今回の6号機には、宇宙での新技術の実証などを行うJAXAや民間企業、大学・高専の小型衛星、部品のほか、九州のベンチャー企業「QPS研究所」が開発した2機の商業衛星も搭載されており、イプシロンにとっては初の商業打ち上げでもあった。
イプシロンにとって商業打ち上げは悲願であった。イプシロンには打ち上げ費用が高いという欠点があり、他国の同性能のロケットとの競争で苦しい立場にあった。一方で、日本が長年独自に育んできた技術を投じていること、部品の一部を共有するH2Aロケットが成功率97.8%と高い水準にあることなどから、高い信頼性を武器としていた。
さらに23年度には、コストダウンなどを図った改良型の「イプシロンS」の打ち上げを計画しているほか、24年度からはイプシロンの運用…
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