鈴木宗男・参議院議員「被爆地出身の岸田首相は停戦を強く訴えよ」
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長期化するロシアとウクライナの戦争に出口はないのか。日本屈指のロシア通政治家である鈴木宗男参議院議員に話を聞いた。(聞き手=浜田健太郎・編集部)>>特集「歴史に学ぶ 戦争・インフレ・資本主義」はこちら
── ロシアがウクライナを軍事侵攻して8カ月余り。なぜ、戦争が起きたのかをどう認識していますか。
■力による国家主権の侵害や領土拡大、これは許されることではない。ただ、戦争には双方に言い分があるものだ。先の大戦では「日本に非があった」と世界に裁かれたが、日本には日本の言い分があった。現在は、日本や欧米の政治指導者、メディア、世論は侵攻したロシアが「悪」で、ウクライナが「善」という価値観で凝り固まっているが、私はそうは考えていない。
なぜロシアは特別軍事作戦を起こさなければならかったのか。昨年10月、ウクライナは親ロシア住民が多く住む地域に自爆ドローンを飛ばした。ウクライナ東部のドネツク、ルガンスクにはロシアのパスポートを持つ約70万人のロシア人がいる。その人たちはロシア語を話すウクライナ国籍の住民とは違う。
ロシアは自国民に危険が及ぶと判断して国境沿いに10万人の兵士を配置した。そして、プーチン大統領が最終的な判断をしたのは2月19日。ミュンヘン安全保障会議で、ゼレンスキー大統領が「ブダペスト覚書(1994年)の再協議」を持ち出したことだ。旧ソ連がウクライナに保管していた核兵器をロシアに移管するという覚書だ。この見直しにゼレンスキー氏が言及したものだから、プーチン氏は容認できなかった。
── 軍事侵攻したことの批判は免れないのでは。
■2014年4月から、ウクライナ東部ドンバス地方でウクライナ軍と親露派武装勢力との紛争が始まった。事態収拾のための「ミンスク議定書(ミンスク1)」が同年9月に締結されたが機能せず、15年2月に独仏の仲介でドンバスに広範な自治権を与える「ミンスク2」が結…
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週刊エコノミスト
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