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Mリーグの“生みの親”が語るチーム競技としてのマージャン(編集部)

映像の演出一つにも工夫が重ねられている ©️ABEMA
映像の演出一つにも工夫が重ねられている ©️ABEMA

 プロスポーツ化するという構想から生まれたプロリーグ戦「Mリーグ」。リーグ創設にかかわった塚本泰隆氏が発足の経緯と現状を語る。>>特集「今なぜ麻雀ブーム?」はこちら

麻雀は映像ドラマが生まれる

 Mリーグの発足は2018年7月。きっかけはその1年前、サイバーエージェント代表取締役の藤田晋氏から「マージャンをプロスポーツ化する」という構想が上がったことだ。

 ABEMAはインターネットテレビとして16年4月に開局し、マージャンも放送チャンネルの一つとしてスタートした。マージャンは対局の中で悲喜こもごもの状況が起こったり、不条理があったりと、いくつものドラマが生まれる。これが映像コンテンツと非常に相性が良い。また、卓上で対局者同士の読み合いなど、頭脳を使ったスポーツという面で優れていることもあり、プロスポーツとしてしっかり視聴者に届けられるものを作っていくことになった。

 一方で、プロスポーツというくくりにするのであれば、ギャンブルや徹夜など、これまでのマージャンにあるイメージとは違うものだということを伝えるのが非常に重要だった。そこで、いくつもの工夫を凝らしている。よりドラマとなる場面が生まれるように、これまで個人戦という趣が強かった対局をチーム戦にすることや、ユニフォームの着用、リーグ所属選手の最低年俸を保証するなどの仕組みを考え、ルールとして整えていった。

 リーグ発足時には「ゼロギャンブル宣言」も行っている。これは、Mリーグに所属する選手にオンレート(賭博)で競技しないことを誓約させるもの。もし賭博行為が発覚した場合は解雇されるルールになっている。

 企業にはチームやスポンサーとして協賛してもらうために、藤田氏が直接声を掛けて交渉し、私も各マージャンプロ団体にMリーグの趣旨を説明して回った。

視聴数は1年目の約5倍に

 Mリーグは、毎年10月から始まるレギュラーシーズン、セミファイナル…

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