新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

法務・税務 選ばれる税理士・会計士

あなたの会社の未来を左右する税理士・会計士の間違えない選び方 横須賀輝尚

 経営者にとって税理士(公認会計士)を選択する機会は多くなく、どう判断していいか分からないことが多いはず。専門家が説く選び方のポイントとは。

>>特集「選ばれる税理士・会計士」はこちら

「税理士(公認会計士)なんて、誰に頼んでも変わらないのだから、報酬の安い事務所で十分」。こうした考えで損をしている会社は極めて多い。

 確かに税理士・公認会計士は国家資格であり、誰に依頼しても一定の仕事はしてもらえる。しかし、選択を間違えれば、残るはずだった利益が残らなくなり、借りられるはずだった銀行融資に失敗してしまうこともある。

 結論からいえば、税理士・公認会計士には大きな実力差がある。そして、その選択はあなたの会社の未来を左右する選択ともいえよう。

選び方基礎編 会計士か、税理士か

 まずは大前提となる話をしたい。公認会計士と税理士の違いについてだ。一般的には会計士も税理士も同様に扱われることが多いが、実際には異なる資格であり、取り扱うことができる業務も違う。

 公認会計士を目指す人の多くは監査法人に就職する。仕事は監査業務で、多くは監査法人でキャリアを積んだ後、独立する。

 しかしながら、監査が必要なのは大企業や上場企業だ。個人の公認会計士に監査の依頼が来ることは、通常はありえない。そこで、税理士登録をして税理士として独立することになる。公認会計士は税理士登録をする権利を持っているのだ。

 一方、生粋の税理士の場合、多くが税理士事務所での勤務を経て、独立する。つまり、中小企業の税務経験という点で見ると、監査法人出身の公認会計士・税理士よりも、生粋の税理士の方が経験値は高いといえる。こう考えると、税理士の方が良い選択のように思えるが、結局のところ個人の実力や経験値の方が選択基準としては重要なので、参考程度に頭に入れておくとよいだろう。

 なお、IPO(新規上場)を視野に入れたスタートアップ(新興企業)を目指すのであれば、将来的に監査も必要になるため、最初から公認会計士・税理士に依頼するというのも一つの選択肢といえる。

顧問報酬だけで選ぶな

 インターネットで検索すると、「激安」をうたう税理士事務所のウェブサイトが山のように出てくる。中には報酬が月額1万円を切る税理士事務所もあるくらいだ。しかし、この激安事務所に何も考えずに飛び込むのは待っていただきたい。いくら激安だとしても、あなたのニーズを満たしてくれるかどうかは別問題だからだ。

 税理士に何を求めるのか。これをハッキリさせた上で選ばなければ、どんなに安くても依頼する意味がなくなってしまう。

 まずは、いわゆる税務といわれる日々の経理や年に1度の決算申告手続きだ。「顧問契約」と呼ばれるものである。

 しかし、この「顧問契約」の中にも違いがある。例えば、領収証や請求書の類いをすべて税理士事務所に送り、自社では経理にはタッチしない「丸投げ」契約もあれば、経理処理は自社で行い、経理書類のチェックのみを行う「顧問契約」と呼ばれるケースもある。同じ顧問契約という呼び名であっても、内容が異なるのだ。

 これに加えて、銀行などから受ける融資をはじめとした資金繰りの相談やコンサルティング、節税の提案なども税理士に依頼できる業務だ。これらは、すべての税理士ができるわけではない。依頼できる業務を見極め、そして税理士に何を求めるかを明確にすることが重要といえよう。

 もし、経理作業の代行をすべて丸投げしたいということであれば、価格重視で選ぶのは正解といえる。

 これに対して、資金繰りの相談や節税の提案まで求めるのであれば、顧問報酬の額だけで選ぶのはナンセンスだ。

残り2678文字(全文4178文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事