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在日米軍基地の使用拒否は日本の選択肢にないのか 古賀茂明

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

古賀茂明の闘論席

 通常国会の安全保障の議論を見ていて不思議に思うことがある。それは、与党だけでなく、野党第1党である立憲民主党が、台湾有事=日本有事という命題を是認しているように見えることだ。そもそも日米が台湾問題に介入しなければ台湾有事など起きないのではないかという議論をしない。

 また、台湾有事の際に日本が巻き込まれる最大の理由は、在日米軍基地の使用を日本政府が容認するからであるという点も避けているように見える。基地使用を断れば、米国は中国との戦争をできないから、米中戦争は起きないということも、正面から議論する勇気がないようだ。

 最近大きな話題となった米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のシミュレーション・リポートの基本シナリオでは、台湾有事の際の米軍のオペレーションの大半は日本の基地から行われるとされ、その結果、日本は戦争に巻き込まれるとしている。米軍の基地使用を断ると日米同盟が壊れることを恐れて日本は断れないとも書いてある。まさに、今の国会での議論のとおりではないか。

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