週刊エコノミスト Online編集後記

白鳥達哉/桑子かつ代

編集部から

 小学生のころ、図工で絵を描く時によく使っていた筆を洗う「黄色いバケツ」の製造メーカー、坪米製作所(大阪市)が3月末で廃業すると聞いて衝撃を受けた。

 坪米製作所は1949年創業。「ツボヨネ」の黄色いバケツにお世話になった人は、恐らくどの世代でも多いはず。私も小学校、中学校と長い期間、お世話になった。知り合いのイラストレーターなどは、いまだに小学生のころに買ったバケツを使っているという。とにかく頑丈で、高所からたたきつけるように落としでもしない限り、壊れない素晴らしい製品だった。

 報道によれば、廃業の理由は原材料価格の高騰と少子化の影響らしい。だが、もしかすると、壊れにくい製品だったために、買いかえのサイクルが生まれなかったのも影響しているのではないだろうか。本当の意味での「良い製品」とは何か、改めて考えさせられた。

残り785文字(全文1152文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月13日号

電力が無料になる日 NTT、東電、トヨタが拓く未来14 NTT、東電、トヨタの共闘 捨てる再エネは「宝の山」■金山隆一18 インタビュー 森島龍太・電池サプライチェーン協議会業務執行理事「電池は国家のエネルギー戦略そのもの」19 電池のリユースは自動車業界の命綱■藤後精一20 EV電池の送電接続こそ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事