期間満了した地上権や賃借権などの抹消手続きが簡略に 方橋慶二
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不動産にはさまざまな権利が登記されるが、抹消されず形骸化しているケースも少なくない。
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司法書士として働いていると、顧客から「すでに存続期間が終わった権利の不動産登記を消してほしい」という依頼を受けることがある。不動産登記の権利には「地上権」「永小作権」「質権」「賃借権」「採石権」などがある。他人の不動産を自分の目的に合わせて使うための権利だ。
不動産登記法では、これら権利の登記は、不動産の所有者など「登記権利者」と、権利を得たり失ったりする「登記義務者」が共同して申請するのが原則だ。権利の存続期間が終わった時、本来はそれらの人が法務局に出向き、「抹消登記申請」(権利を消す手続き)をしなければならないが、何らかの理由でその手続きをしないことがある。そうなると、古くて形骸化した登記が残ってしまう。
4月1日施行の改正不動産登記法は、前述した五つの権利に加えて「買い戻し特約」の登記に関し、存続期間が満了した後、簡易な手続きをすることで「除権決定」(裁判所が権利を失ったことを決めること)を得られるようになる。
この法改正が朗報となる理由は、形骸化した登記を消すのは難しいことがあるからだ。消さないまま時間がたつと、登記義務者が亡くなったり、行方不明になったり、法人であれば解散したりといったことが起こる。
登記義務者が亡くなっている場合、その人の相続人全員が登記義務者になる。登記権利者が形骸化した登記を消すには、登記義務者の相続人全員を探し出して、協力してもらう必要があるのだ。登記義務者が解散した法人である場合、法人が解散した際の清算人(通常はその法人の代表者)を見つけ出し、抵当権(担保)を消す手続きに協力してもらうことになる。
ハードル高い除権決定
では、登記義務者を探し出せない場合はどうするか。不動産登記法70条によれば、「登記権利者は登記義務…
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週刊エコノミスト
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