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投資・運用 日本株の大逆襲

相次ぐ株式分割 背景に資産所得倍増プラン 和島英樹

 投資単位が100万円以上の銘柄も少なくなかった日本株だが、東証の働きかけもあって大きく変貌している。

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 株価の絶対値が高い、いわゆる値がさ株の株式分割の発表が相次いでいる。2022年9月末割り当てでゲーム世界大手の任天堂が1株を10株にする株式分割(1対10)を行ったのをはじめ、23年2月末には日本の上場企業で一番株価が高かったファストファッション世界大手のファーストリテイリング(ファストリ)が1対3の株式分割を実施した。

 さらに、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド、FA(工場自動化)関連のファナック、半導体シリコンウエハーなどの信越化学工業などが3月末割り当てで大幅株式分割に進むことを発表している

 東京証券取引所はかねてから、最低投資単位を50万円未満にするよう要請してきたが、実効性には乏しかった。しかし、ここにきて株式分割がにわかに増加しているのには、大きく分けて二つの理由が挙げられる。政府が「資産所得倍増プラン」を推進する過程で値がさ企業に「圧力」をかけたことと、もう一つは24年1月にスタートする新NISA(少額投資非課税制度)に向けて、企業が投資家に買ってもらいやすくする「前向き」な動きだ。

 東京証券取引所は個人が投資しやすい環境を整備していくために、望ましい投資単位の水準を「5万円以上、50万円未満」と定めている。50万円以上の上場企業については投資単位の引き下げを検討するよう、要請を行ってきた経緯がある。ただ、これまで効果が出ていたとはいいにくい状況だった。ある上場企業は「優良な投資家に株主になってほしい」(幹部)と語るなど、投資単位を引き下げることで望まない株主が登場することを警戒していた節もある。

 だが、ここに来て様相が一変しつつある。株価の超値がさ企業が、相次いで大幅な株式分割を発表し始めたのである。値がさ株の代表格だった任天堂は昨年9月末割り当てで1株を10株にする株式分割を実施し、投資の最低金額が一気に10分の1となった。現在では52万円程度(3月7日現在)で投資が可能になっている。任天堂が株式分割を行ったのは1991年以来(当時は無償増資)以来、実に31年ぶりのことだった。

社名伏せた「高株価」資料

 日経平均株価の採用銘柄でもあるファストリ。今年2月末まで株価は8万円近く、単元株数は100株のため、株式を買うには800万円ほどが必要だった。日本一の値がさ株だったが、02年4月以来、実に20年11カ月ぶりの株式分割に踏み切った。

 東証は投資単位が50万円以上の企業に対し、毎年「投資単位の引き下げに…

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