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マーケット・金融 逆風の銀行

ステーブルコイン発行へ きらぼしなど3行や北国が着手 戸田幸宏

 既存の銀行システムを介した送金にはコストや時間がかかっていたが、資金決済法改正でステーブルコインが新たな「電子決済手段」となり、今後は大きく変わる可能性がある。

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 金融市場における法定通貨などを裏付けとした暗号資産「ステーブルコイン」の存在感が増している。世界で流通するステーブルコインの時価総額は約1380億ドル(2023年1月末時点)に達し、23年末には4大決済ネットワーク(ビザ、マスターカードなど)の決済額を上回ることが予測されている。

 ステーブルコインの規模拡大などを受け、日本では欧米に先行して23年6月1日、金融のデジタル化への対応と、安定的で効率的な資金決済制度の構築などを目的に、改正資金決済法が施行された。ステーブルコインは「電子決済手段」として新たに定義され、銀行や資金移動業者によるステーブルコイン発行が可能になるとともに、法的に規制の対象となった。

 そもそもステーブルコインは、ステーブル(安定した)という英語表記の通り、価格の安定を目的として、日本円や米ドルといった法定通貨などに価格が連動するように設計された暗号資産の一種である。裏付け資産がないビットコインやイーサリアムなどの暗号資産の課題である価格変動の激しさという問題を解決し、実用性の高い電子的な決済手段として考案された。

 金融庁は、法定通貨に連動して設計されたステーブルコインを、「デジタルマネー類似型」と「暗号資産型」に分類。デジタルマネー類似型は「1コイン=1円」のように、「法定通貨と連動した価格で発行され、発行価格と同額で償還を約するもの」と整理する(表)。

みんな、四国銀行も

 こうしたステーブルコインについて、発行に向けた動きを進めているのが地方銀行だ。東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)、ふくおかFG傘下のみんなの銀行、四国銀行の3行は、法定通貨建てのステーブルコインの発行を念頭に、電子マネーの発行・送金に関する実証実験を進めている。北国銀行も23年冬ごろのステーブルコインの流通開始を目指している。

 地銀は、長期的な超低金利環境や、異業種による銀行事業への…

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