テクノロジー闘論席

量子コンピューターの実用化に光明 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 計算ミス──。学校のテストでは何度も泣かされたが、目下話題の計算ミスといえば量子コンピューターだろう。その基本ユニットである「量子ビット」は、量子の性質が壊れやすく、また外部からの干渉を受けやすいため、演算システムは必然的にノイズを発生する。その結果、量子コンピューターはしばしば致命的な計算ミスを犯す。

 研究者たちは量子ビットにまつわるエラー訂正の方法を模索しており、日本も優れた研究成果を上げている。しかし、完全なエラー訂正法はまだ確立していない。つまり量子コンピューターは社会的期待だけが先走っており、実用性からは遠い地点で停滞している。

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