インタビュー「GX実行会議が司令塔になる」西村康稔・経済産業相(GX実行推進担当相)
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巨額の投資を見込むGX推進法が成立した。いかに効果的に運用していくのか、GX実行推進担当相でもある西村康稔経済産業相に聞いた。(聞き手=桐山友一/和田肇/安藤大介・編集部)
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── GX推進法が5月に成立した。官民合わせて今後10年間で150兆円超もの投資を見込む大型の政策だが、これまで政府の成長戦略や産業政策は政権が変わると尻すぼみになることを繰り返してきた。
西村 世界は今、ロシアのウクライナ侵攻もあり、未曽有のエネルギー危機にある。毎年のように災害も起こり、気候変動問題にも取り組まなければならない。加えて、経済成長も必要だ。この三つをいかに両立させるかが大きな課題で、世界各国がイノベーション(技術革新)によって乗り越えようと、大きな投資を必要としている。
そこで、政府が今後10年間で20兆円をGX経済移行債で確保して呼び水となる先行投資をし、民間の資金を引き出そうとしている。デフレ下で内部留保をため、投資を躊躇(ちゅうちょ)してきた企業も、インフレの局面となって投資に積極的になっている。政権の思いはその時々あったと思うが、時代は大きく変わった。必ず成功するし、させなければならないという強い決意だ。
バラマキにはしない
── 水素や半導体、次世代原発など多様なメニューが盛り込まれており、バラマキになってしまう懸念もある。
西村 バラマキになってはいけないのは当然だ。(投資対象は)温室効果ガスの削減効果があるものがまず第一。民間だけでは投資判断が難しい革新的な技術開発であるかも要件だ。経済・社会全体をトランスフォーメーション(移行)していかなければならない。専門家の判断なども踏まえながら、首相の下でGX担当相である私、そして政府のGX実行会議がしっかり司令塔としての機能を果たしていく。
例えば、水素・アンモニアは技術は確立しつつあるが、コストを下げ…
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週刊エコノミスト
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