新NISA活用で老後の不安はスッキリ解消 鈴木雅光
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来年1月から大幅に拡充される新NISA。節税メリットをフルに生かして、老後2000万円問題をスッキリ解消しよう。
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これまで「非課税枠が小さいから」とか、「手続きが面倒だから」などと言って、「一般NISA(少額投資非課税制度)」や「つみたてNISA」を利用してこなかった人のうち、かなりの部分の人が、来年から始まる「新NISA」については、口座を開設した方がよい、ということになるだろう。
理由は、投資枠が大きく拡大するからだ。年間の投資枠は、「つみたて投資枠」で120万円、「成長投資枠」で240万円あり、両方を合わせれば年間360万円まで、運用収益に課税されず、投資元本を積み上げることができるようになる。
非課税保有限度額は1800万円であり、このうち成長投資枠だけで見れば、1200万円までに生じる運用収益が課税対象外になる。
運用収益が非課税
総務省統計局が5月12日に公表した家計調査報告の平均貯蓄額は、2人以上世帯で1901万円、中央値は1168万円となっている。また、2人以上世帯のうち勤労者世帯の平均貯蓄額は1508万円で、中央値が928万円だ。
平均値は、どうしてもより大きな数字に引っ張られる傾向がある。たとえば勤労者世帯の平均貯蓄額である1508万円は、数億円規模の貯蓄を持っている富裕層の数字の影響が強く出てしまう。そのため、「貯蓄額の平均は1508万円だ」といわれても、リアリティーがない。その点、中央値はちょうど真ん中の数字になるので、実感が得られやすい。
勤労者世帯の中央値が928万円、2人以上世帯全体の中央値でも1168万円で、これは新NISAの非課税保有限度額にすっぽり収まる金額だ。
個人が保有している金融資産のなかには、預貯金も含まれるので、すべてを非課税運用するわけにはいかないだろうが、基本的に全額を投資に回したとしても、多くの人は保有金融資産から生じる運用収益の大半を、非課税扱いにできる。これだけ大きなメリットがあるのだから、利用しない手はないだろう。
では、何を用いて運用すればよいのか。
テーマが「老後不安解消の秘策」ということなので、ここでは資産形成層よりも資産活用層を対象にして話を進めていこう。
資産活用層の場合、これまで働いて貯蓄したお金と退職金、そして65歳以降に満額受給できる公的年金あたりが、老後生活に充てる資金源になる。これをどう有効活用するかだが、多くの人は老後の資金繰りというと、これまでためたお金を少しずつ取り崩していくというイメージが強いのではないだろうか。
確かに、すべての資金を預貯金に預けておいたら、昨今の超低金利下では、ストックを取り崩さざるを得なくなる。
2019年に話題となった「老後2000万円問題」は、まさにその点がクローズアップされた。高齢者夫婦の無職世帯の平均的な家計収支において、実収入が20万9198円、実支出が26万3718円で、その差額である5万4520円が赤字となる。老後の夫婦生活が30年だとすると、ざっと1962万7200円(5万4520×360カ月〈3…
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週刊エコノミスト
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