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投資・運用 日本株まだ上がる

“雌鶏投資”の勧め 長期保有による運用益でリスク低減 深野康彦

株価が上がる余地があり、配当利回りが高いメガバンク Bloomberg
株価が上がる余地があり、配当利回りが高いメガバンク Bloomberg

「元本割れリスク」がほぼない投資法がある。配当利回りが4%超のメガバンク株に投資し、25年間保有すれば元本を回収できる。

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 日経平均株価は6月に入り、3万3000円台に乗せた。1990年7月以来、33年ぶりのことだ。バブル期を知る60代の筆者は、今回の上昇相場は今までと違うと感じ、日経平均は数年以内に過去最高値(3万8915円)を更新すると見通している。

 とはいえ、「上昇ピッチが少し速くないか」「一部のハイテク株が買われているだけではないか」などと、株式相場を懐疑的に見る習性がなかなか抜けない。その点、若い世代はバブル崩壊後の株価急落を知らないことで、果敢に「押し目買い(上げ相場が一時的に下がる局面で株式を買うこと)」をして成功している人が多いのではないかという投資だ。

 押し目を待つ間、次の上昇相場に乗るにはどんな銘柄を選ぶといいのか。頻繁に売買しないでリターンを狙うには、株価純資産倍率(PBR)が1倍を下回る割安で、配当利回りが高い銘柄に目を向けるといいだろう。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が2020年、日本の総合商社株に投資したことを背景に、割安で高配当の銘柄に人気が高まった。それらの銘柄の株価はかなり上がったが、筆者はまだ狙えると考えている。

雌鶏投資の利点

 筆者が「雌鶏(めんどり)投資」と命名した投資法を提唱したい。雌鶏を飼う人は雌鶏の肉を食べず、産んでくれる卵を長く口にするために飼う。これになぞらえて、株式の配当金や投資信託の分配金といった運用益を得るために投資するのが雌鶏投資だ。株式、上場投信(ETF)、上場不動産投信(REIT)に投資し、今年中ならNISA(少額投資非課税制度)、24年以後は非課税投資枠などが大幅に拡充する「新NISA」を活用し、配当金や分配金を定期的に受け取るという投資法だ。

 雌鶏投資の利点は投資して長期保有することで、値下がりへの耐性を高めることだ。例えば、「バフェット氏が買ったのではないか」と、うわさされるメガバンク株。3社ともPBRは1倍を下回り、配当利回りは三菱UFJフィナンシャル・グループを除いて4%を超えている(表1)。

 つまり、残る2社の株式に投資し、今後も配当金が変わらないと仮定すれば、保有期間3年で投資元本の12%超、5年で同20%超を手にできる。裏を返せば3年間で株価が12%、5年間で20%下落しても収支はほぼトントン、25年間保有すれば元本を回収できる。「元本割れを避けたい」と考えて金融商品に投資しない人がいるが、雌鶏投資をすれば元本割れリスクをかなり低減できるのだ。

 問題は何に投資するかだ。筆者はメガバンク株の上値は、PBRが1倍前後に達する水準と考えている。総合商社株の場合、バフェット氏のお眼鏡にかなった理由は割安であり、株主資本利益率(ROE)がそれなりに高か…

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