下期30社アンケ 8社が1ドル=150円を予想(編集部)
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編集部は主要金融・調査機関30社を対象に下期の為替、金利、商品相場についてアンケートを実施した。それによると、ドル・円相場の上限(円安方向)の平均は1ドル=145.97円、下限(円高方向)の平均は129.48円だった。上限については、30社中25社が145~150円と想定。このうち8社は「150円」と回答しており、昨秋レベルまで再度、円安が進むとみている。
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ドル・円相場は昨年初めの段階では1ドル=115円程度だったが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き上げなどで、昨年10月には一時1ドル=150円台となるなど円安が進んだ。
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アンケートでは、下限について20社が130円台(130~137・5円)、9社が120円台と回答した。2021年以前の水準となる110円台は1社にとどまっており、22年以降の円安傾向が年後半も継続するのではないかとの見方が大勢を占めた。
アンケートの回答期限は7月21日で、26日に決まったFRBの金利引き上げ政策や、28日の日銀による「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)」の見直しは反映されていない。
アンケートでは「日銀はYCC修正に踏み込む可能性はあるものの、緩和的な金融政策を維持する」(東京海上アセットマネジメント)など、日銀の方針転換を一定程度予測していた一方で、金融緩和の大枠は継続されるとの見方もあった。
米長期金利は上昇か
景気が良くなれば上昇し、悪くなれば低下することから「経済の基礎体温」とされる長期金利。特に、米国の長期金利(10年物国債の利回り)は世界経済の動きに影響する。29社の平均は、長期金利の上限4.17%、下限3.31%で、政策金利は上限5.63%、下限5.29%だった。
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アンケートを締め切った7月21日時点の長期金利は3.8%台。29社全てが上限について「3.9%」以上の回答を寄せており、現在の金利水準より若干上昇するとの見通しを示している。
一方、政策金利についてはFRBは7月26日、0.25%の利上げを決定し、引き上げ幅は計5.25%となった。6月段階で「年内の利上げは残り2回」と想定されており、「年内の利上げはあと何回か」「利下げはいつか」が焦点になっている。アンケートでも「利上げは最終局面を迎え、利上げ停止を好感し株高になると予想する。ただし、高い金利水準が維持されることで、特に商用不動産向け融資が問題となる可能性は高く、そのタイミングでは株価の急落を誘発するとみる」(松井証券)との見方もあった。
原油の高値は86ドル
金相…
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週刊エコノミスト
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