法務・税務 インボイス&電帳法

会社員も注意! その領収書はインボイスですか?(編集部)

個人タクシーの組合では10月から、黄色のでんでん虫型の表示灯(左)がインボイス対応、白色(中央、右)の表示灯は免税事業者と区別する
個人タクシーの組合では10月から、黄色のでんでん虫型の表示灯(左)がインボイス対応、白色(中央、右)の表示灯は免税事業者と区別する

 インボイス制度の開始後は、会社員も経費精算に必要な領収書の受け取りに気を付けなければならない。

>>特集「インボイス&電帳法」はこちら

 10月から始まるインボイス制度。フリーランスへの影響が多く報道されており、会社員の場合、「自分には関係ない」とニュースを聞き流しているかもしれない。しかし、まったく無関係だと捉えてはいけない。経費精算に必要な領収書のあり方が大きく変わるからだ。

 深夜まで及ぶ残業で帰宅時にタクシーを利用したり、あるいは取引先を接待した場合、費用を自分で立て替えて、運転手や店から領収書を受け取るだろう。ところが後日、精算しようと領収書を貼り付けて書類を経理担当者に提出したところ、「この領収書は受け取れない」と突き返されるかもしれない。その領収書が、「インボイス」(適格請求書)ではないからだ。

 消費税の課税事業者が納める消費税は、受け取った消費税から支払った消費税を差し引き(仕入れ税額控除)、その差額を申告する。インボイス制度が始まった後は、インボイスによる消費税の支払いしか仕入れ税額控除が認められなくなる。そのため、受け取った領収書に「T+数字13桁」によるインボイス発行事業者の登録番号がなかったりすれば、仕入れ税額控除ができなくなってしまう。

表示灯で対応識別

 インボイス制度では、免税事業者はインボイスを発行することができない。会社側の負担を避けるため、大多数の企業は社員に注意喚起するとみられるが、会社の方針次第では「インボイスではない領収書は経費精算ができない」とのルールが策定される可能性もある。うっかりすると、多額の経費を自腹で負担することにもなりかねない。

 多数の車両で営業する法人タクシーの場合、運営企業のほとんどは課税売り上げ1000万円を超えるとみられ、その場合、インボイス対応の領収書が発行される。では、個人タクシーはどうだろうか。編集部が全国個人タ…

残り904文字(全文1704文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月28日号

バイオ製薬最前線 肥満 がん 認知症第1部 創薬テーマ編肥満14 画期的な減量効果の治療 ノボ、リリー2強が世界席巻■中桐成美/中西拓司17 内臓脂肪減少薬 大正製薬が「アライ」発売 吸収抑えて25%を排せつ■中西拓司19 米国の現実 成人の「4割超」の深刻 国防にも影響するレベル■岩田太郎20 体 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事