空き家特例 相続で使いやすく要件緩和 高山弥生
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大きな特別控除のある空き家特例だが、空き家を一時的にでも利用すると特例を使えなくなるなど注意点もある。
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相続によって実家の空き家を取得し、維持・管理に悩む人は少なくない。そんな時、利用を検討したいのが「空き家の譲渡所得の特例」(空き家特例)だ。相続した空き家を売却した際、譲渡益(得られたもうけ)のうち3000万円までは課税しない(特別控除)という制度で、2023年度の税制改正では今年末までだった特例期限が27年末まで延長され、要件も緩和されて使いやすくなった。
不動産を売却して譲渡益が発生した場合、通常は譲渡益に対して所得税・住民税合わせて20.315%の税金がかかる(不動産の所有期間5年超の長期譲渡所得の場合。5年以下なら税率39.63%)。3000万円の譲渡益が出た場合、税率20.315%なら税額は609万4500円となる。この不動産に空き家特例を使ったとすれば、最高609万円あまりの税金を納めなくてもよく、税負担の軽減効果は大きい。
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週刊エコノミスト
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