新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

法務・税務 相続税 必見対策

相続財産が分からない……ネット金融資産の探し方 桑田悠子

ネットでの金融資産の取引は本人には便利だが……masa/PIXTA
ネットでの金融資産の取引は本人には便利だが……masa/PIXTA

 スマートフォンで取引が完結する金融資産は、本人にとっては便利だが、遺言書や財産目録がないと相続人が苦労する。

>>特集「相続税 必見対策」はこちら

 ネット銀行やネット証券の口座、暗号資産など、ネット上で取引が完結する金融資産を巡り、相続の現場で今、相続人に大きな負担が生じている。被相続人(亡くなった人)が生前に財産目録を作成していないと、相続人が財産の所在を把握できず、財産を探す手間や時間、費用がのしかかるのだ。相続税申告後の税務調査で、相続人も知らなかった財産の申告漏れを税務署から指摘され、加算税などのペナルティーを科される可能性もある。

 金融資産の取引ではこれまで、金融機関の通帳やキャッシュカード、郵送物のほか、カレンダーやティッシュペーパーなどのノベルティーグッズなどが被相続人の手元に残り、財産目録がなくても相続人がこれらを手掛かりに財産を調べることができた。しかし、紙の通帳はメガバンクでも廃止する傾向にあり、被相続人の取引金融機関が分からないというケースが増えている。

 特に、スマートフォンで完結する金融資産の取引は、財産を持つ本人にとっては利便性が高くとも、相続人にとって調べる負担があまりに大きい。スマホにパスワードなどでロックが掛かっていれば、本人以外は解除が基本的に不可能で、契約している通信会社すらもお手上げとなるためだ。被相続人がこのような金融資産を持っていた蓋然(がいぜん)性が高い場合、どう調べたらいいだろうか。

ネット銀行

 遺言書や財産目録がない場合、金融機関の預貯金口座の探し方はいくつかある。通帳や郵送物などから金融機関を把握できれば、その銀行に照会すると支店名まで分からなくとも全支店分、他に口座がないか調査してくれる。そのうえで、見つけた口座から他の金融機関との間に入出金記録がないかも確認する。高齢者は高確率でゆうちょ銀行口座を持っている可能性があり、被…

残り2186文字(全文2986文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事