消えた「有事の円買い」 中東危機でも円が売られる理由 唐鎌大輔
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慢性的な円安基調を背景に、かつて見られた「有事の円買い」は過去のものになりつつある。原油高で円高への反転も期待薄だ。
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イスラム組織ハマスと、イスラエルによる武力衝突は、今後の展開次第ではインフレの終息が見えてこない世界経済に大きなインパクトを与える可能性がある。第1報時点での金融市場では原油価格が急伸し、為替市場では産油国通貨の一つであるノルウェー・クローネが買われた。
一方、こうした地政学的な事態が発生した際には「リスクオフの円買い」「有事の円買い」が進んだものだが、円買いは事実上、空振りに終わった。世界市場では「円は安定通貨」といわれていたが、すでに過去のものになっているのかもしれない。
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週刊エコノミスト
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