新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

投資・運用 2024年に上がる株

NTT25分割に三菱商事3分割 株式分割で注目の10銘柄はこれだ! 木村佳子

東京応化工業の種市順昭社長。後ろのボトルは主力商品のフォトレジスト
東京応化工業の種市順昭社長。後ろのボトルは主力商品のフォトレジスト

 新NISAで株式投資をする人を狙い、上場企業が続々と「株式分割」を発表している。配当や株主優待が充実した銘柄を選びたい。

>>特集「2024年に上がる株」はこちら

 政府は2022年12月に閣議決定した今年度の税制改正大綱で、個人が購入した金融商品で利益を得ても課税しないNISA(少額投資非課税制度)を24年1月から拡充・恒久化することを盛り込んだ。「新NISA」だ。

 国民の老後不安に政府が相当の危機感を持っていることの表れだろう。しかし、政府は老後資金を年金で手当てできず、新NISAで国民に丸投げしようとしているともいえる。国民としてはその現実を受け止め、将来使えるお金を増やすしかない。

表の拡大はこちら

 銘柄を選ぶに当たって三つのポイントを挙げた。

 一つ目は、金利が正常化する過程で金融市場が混乱することに備え、東証プライム市場に上場し、製品・サービスで世界的シェアを持つ優良企業を選ぶことだ。そのような企業は株価が一時的に大幅に値下がりしても株価が回復する力があると考えられる。

 二つ目は、配当の支払い実績が安定的に推移し、増配力を秘め、自社株買いができる財務体質がある銘柄だ。株主優待を提供するかどうかも調べたい。

 三つ目は、新NISAを利用して投資する個人を増やす対策を打ち出した企業だ。次に列挙する通り、新NISAの開始日の24年1月1日に「株式分割」を実施すると発表する企業が相次いでいる。

三菱商事が23万円から

 真っ先に挙げたいのは三菱商事だ。11月2日、1株を3株に分ける株式分割をすると発表した。12月29日時点の株主を対象に24年1月1日に分割する。同社は発表文で「投資単位当たりの金額を引き下げることにより、投資家の皆様がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図る」と目的を明記。新NISAを利用して投資に踏み出す個人投資家向けに魅力を高めたいという動機が明白だ。

 今年12月29日の株価を7000円とした場合、株式分割後の最初の取引日、24年1月4日の株価は2300円程度に下がる。単元株(100株、以下同じ)を23万円程度で買えることになる。

 三菱商事は高配当株として人気が元々高い。24年3月期の1株当たりの配当は、株式分割前は中間期105円、期末見通しは105円の計210円。株式分割後の期末見通しは35円となる。分割後に23万円程度で100株買った人の期末配当は3500円となり、24年中間期も同水準なら計7000円。配当利回りは3%程度となる。

 一般的に株式分割後は株式の売却が増え、取引は緩慢になりやすい。新NISAを利用…

残り1766文字(全文2866文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

11月26日号

データセンター、半導体、脱炭素 電力インフラ大投資18 ルポ “データセンター銀座”千葉・印西 「発熱し続ける巨大な箱」林立■中西拓司21 インタビュー 江崎浩 東京大学大学院情報理工学系研究科教授、日本データセンター協会副理事長 データセンターの電源確保「北海道、九州への分散のため地産地消の再エネ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事