日本株は4万円を超える 半導体関連がけん引 広木隆
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上場企業の決算は3期連続の過去最高益になりそうだ。円安、デフレ脱却など、2024年の日本経済には好材料がそろう。
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日本株を取り巻く国内環境は株価が上がらない理由はないほど良好だ。最も大きいのは、新型コロナウイルス感染症が収束したことだ。5月に行動制限がなくなった今年は新型コロナが収束した効果が中途半端だが、2024年は本当の意味で「コロナ後の世界」になる。上場企業の24年3月期決算は3期連続の最高益になるという見通しだ。圧倒的にいいのは円安効果が大きい自動車産業、次は電鉄各社だ。夏に旅行や帰省をした人が一気に増え、7〜9月期決算に反映した。24年はそれが丸1年続く。
半導体産業が盛り上がる
24年には、日本経済をむしばんできたデフレが終わったという確信が持てるのではないか。日銀は24年の賃上げ率が今年に続いて高くなったことを確認してマイナス金利をやめて正常化に踏み出せば、デフレ脱却の大きなシグナルになる。企業が設備投資を増やすなどの動きはますます活性化するだろう。24年1月に新NISA(少額投資非課税制度)が始まる。「非常に多くの資金が株式市場に入る」と海外投資家も注目している。
24年に日銀が金融政策を正常化し、米国の利上げが打ち止めになっても、すぐに利下げに転じるとは考えにくい。日本の金利がそう大きく上がることはなく、日米の金利差が理由で一気に円高が進むとも想定しにくい。しばらくは円安が続くだろう。日本の上場企業は円安に支えられ、25年3月期決算は4期連続で最高益となるだろう。さらに半導体市況が最悪期を出しつつある。24年は米国の利上げ打ち止めと半導体市況の底打ちが重なり、同産業は盛り上がる。アドバンテストや東京エレクトロンが日経平均株価をけん引する形で株価が上がりやすいだろう。
日経平均は24年度半ばには4万円を達成するだろう。…
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週刊エコノミスト
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