インタビュー「50代からの挽回投資も可能に」中野晴啓・なかのアセットマネジメント社長
有料記事
「積立王子」の愛称で知られる中野晴啓・なかのアセットマネジメント社長(セゾン投信前会長)に新NISAについて聞いた。(聞き手=安藤大介・編集部)
>>特集「とことん得する新NISA」はこちら
── 新NISAが始まった。
■認知度は従来のNISAとは歴然と違う。講演会の機会を多く頂くが、ご夫婦や親子で来られる方が目立つ。これまでは「非課税でお得、ちょっと一発勝負」というイメージもあったが、今回は長期でしっかり資産を育成するという目的を多くの人が持っている。
── 関心はあっても投資に踏み切れない人はなお多い。
■投資にこれまで踏み切れず、「出遅れた。もう自分には遅い」と思う人は確かに相当多い。私は新NISAの制度設計から関わったが、今回の制度は、こういう人たちを一気に救える制度だといえる。制度の中にキャッチアップ機能があるためだ。非課税期間が一気に無期限になり、1800万円の生涯投資枠ができた。例えば3000万円預金がある55歳の人は、5年間で1800万円加入でき、60歳で満額を完了する。これを長期保有していくことで、資産育成が自然にできる。
── 積立の重要性は理解しても、どう投資していいか分からない初心者に商品選びのアドバイスを。
■複数資産に分散投資するバランス型ファンドを1本だけ選び、「つみたて投資枠」で積み立てればいい。長期の資産形成に適していると思われる選択基準は六つある。
①まずは国際分散投資。未来は誰にも分からないため、「全世界」もしくは「国際分散」となっているものを選んでほしい。②日本に過度にコミットした、国内資産の比率が3分の1以上あるものは対象から外す。③国内総生産(GDP)で世界第3位の日本を全て外すのも矛盾しており、全く入っていないのはダメ。④為替ヘッジ付きは余計なコストがかかる点で不利になるため、為替ヘッジなしのものを。⑤投信運用会社の都合で運用を中止する「…
残り617文字(全文1417文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める