申告漏れが指摘されやすいネット副業 “チャットレディー”も申告を 高橋創
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税務署はインターネットもしっかり見ている。多額の所得を得ながら申告しないと、後からペナルティーが課せられる。
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いわゆる「ギャラ飲みアプリ」を利用して飲み会への参加で報酬を得ていた“港区女子”や“パパ活女子”たちに、所得税の税務調査という激震が走ってから間もなく2年。最近は警戒が強まったからなのか、筆者へのこの手の相談がめっきり減った。しかし、キャッシュレス決済やSNS(ネット交流サービス)が普及する今、申告漏れが発覚する端緒はどこかに埋まっており、税務調査官はあの手この手で目を光らせている。
ことの発端は2022年2月、ギャラ飲みアプリ最大手の運営会社を東京国税局が調査し、「キャスト」と呼ばれる女性登録者の間で、相次ぐ所得税の無申告が発覚したとのニュースだった。その後、実際に3年間で4000万円の申告漏れを指摘された女性が、無申告加算税を含め約1100万円を追徴課税されたとの報道もあり、筆者の事務所にも確定申告に関する問い合わせが増えた。
だが、間もなく23年分の確定申告時期がやってくるにもかかわらず、現在はそうした問い合わせはぴたりとなくなった。ギャラ飲み自体を控えるようになったからなのか、適正に申告するようになったからなのか、はたまた無申告を決め込むからなのか、その理由は分からない。ただ、多額の所得を申告しなくとも税務署にはバレない、という認識は改めたほうがよいように感じる。
国税庁は所得税の無申告に対する調査を強化しており、22事務年度(22年7月~23年6月)は無申告者に対する追徴税額が224億円と過去最高を記録した。そもそも、ギャラ飲みなどで得た所得は、会社員の給与所得など他に本業がある場合、年間20万円を超しているなら雑所得として確定申告する必要があるが、税務調査で所得の無申告を指摘されれば、本来納めるべき税額に加えて無申告加算税というペナルティーも発生する。
“港区女子”の写真も
所得税の無申告加算税は50万円以下の部分に対して15%、50万円超の部分に対して20%が課されるが、23年度の税制改正によって24年1月以…
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週刊エコノミスト
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