マーケット・金融THE MARKET

《今週のポイント》欧州中央銀行(ECB)理事会(3月7日)高山武士

利下げの示唆はあるか

 欧州中央銀行(ECB)は3月7日に金融政策方針を決定する。ECBは今回の利上げサイクルにおいて、2023年9月まで4.50ポイントの利上げを実施した後、10月以降は3会合連続で政策金利を据え置いている。また、今後の政策運営については「データ次第」として、①インフレ見通し、②基調的なインフレ動向、③金融政策の波及状況、を評価して決定する方針を貫いている。

 インフレ率について、足元で予想より下振れるデータも観測されるなど、利上げの実体経済への波及が進み(③)、またコア指数など基調的なインフレ率も低下している(②)ため、近い将来の利下げが視野に入る。しかし、ECBは前回1月の会合で、理事会のコンセンサスとして利下げ議論は時期尚早との見解を示した。一方でラガルド総裁は、会合前のダボス会議において、個人的な見解として、夏の利下げの可能性に言及している。

残り308文字(全文695文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事