“日本版GAFAM”はこれだ! 三菱重工、任天堂など10銘柄 天海源一郎
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日本株をこれから押し上げるのは、米国株のGAFAMに匹敵する大型株などからなる「中軸銘柄」だ。
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今年初めにスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は、投資を新たに始める個人投資家を多く呼び込んでいる。ブルームバーグによれば、モルガン・スタンレーMUFG証券は新NISAを通じた今年の買い付け総額(外国株含む)を過去最高の5.4兆円と見込む。
日経平均株価は昨年末から今年2月28日にかけて5744円上昇した。株式投資を新規に始めた人の多くに含み益が生じたと見ていい。株式投資をしていない人はこの様子を見て、続々と参入するだろう。外国株式や投資信託ばかりに資金を振り向ける投資家にも、日本株を買う動きが広がりそうだ。日本人が日本株を買う時代が本格的に到来するだろう。
新NISAの投資家は短期売買を前提としておらず、東京株式市場の需給を大きく改善させる。流動する株式が減少することで、少なくなった株式を奪い合う状況になる。時に過去にないほどの株価急上昇を演出するだろう。
三菱商事、トヨタも
日本株が急に動意づいた昨年4月以降、想定以上の上昇を見せた銘柄は知名度が高く、業績が堅調で流動性が高い大型株だ。この中から米国市場で相場をけん引したGAFAMのような銘柄群が出現する可能性があると筆者は考えている。GAFAMはグーグル=現アルファベット▽アップル▽フェイスブック=現メタ・プラットフォームズ▽アマゾン・ドット・コム▽マイクロソフト──の頭文字で、「日本版GAFAM」に挙げたい銘柄は次の通りだ(表の拡大はこちら)。
まず、政府が防衛費を大幅増額したことで追い風が吹く三菱重工業だ。次に、日本のお家芸であるビデオゲーム大手の任天堂。「新たなゲーム機に関する発表があるのでは」と注目されているほか、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」が昨年2月、同社株を買い増した。任天堂の発行済み株式に占める同ファンドの保有比率は8.58%に上る(昨年9月末現在)。
続いては三菱商事だ。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイの子会社が発行済み株式の8.31%を保有する(同)。バークシャー子会社は三菱商事だけでなく他の総合商社4社の株式も買い進めた。バフェット氏は昨年4月、『日本経済新聞』のインタビューで「バークシャーと(総合商社の事業は)非常に似ている」と述べたほか、「将来、事業のパートナーとしての関係を築くことも不可能ではない」と期待を込めた。
時価総額首位のトヨタ自動車も挙げたい。豊田自動織…
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週刊エコノミスト
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