《東京市場》合理的な調整局面は投資の好機 秋野充成
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国内株式市場は1~3月の急上昇の反動調整局面を迎えている。特に資金が集中した半導体関連銘柄の下落が大きい。背景は、インフレ再燃への懸念だ。好調な米国景況感に加え、中国経済の回復観測、そして中東情勢の緊迫化がインフレ圧力を高めている。
米連邦準備制度理事会が6月から利下げを開始するとのマーケットの期待はほぼ消滅した。年初に5回程度の年内利下げ想定は、現在年内2回弱に後退している。これまで株式市場の上昇を支えていた「ゴルディロックスシナリオ」が正念場だ。すなわち、インフレ鎮静化の下、好景況感が維持される中で早期に利下げが実施される期待が薄れつつある。米国の利下げ観測の後退は、日米金利差拡大から円安の進行を加速する。本来、円安は株高につながるが、行き過ぎた円安に対処するために日銀が早期に利上げを開始する可能性が高まることが…
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週刊エコノミスト
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