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週刊エコノミスト Online 肥満・がん・認知症

インタビュー「光免疫療法で頭頸部がんの2割が完全寛解」小林久隆・米国立衛生研究所(NIH)主任研究員

 「光免疫療法」の開発者に治療の実績や今後の課題を聞いた。(聞き手=中西拓司・編集部)

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── 頭頸部(とうけいぶ)がんの光免疫療法に使う薬剤「アキャルックス」が保険適用され、3年が経過した。手応えは?

■患者約300人が延べ約500回、光免疫療法の治療を受けた。副作用が少ないので、平均的には1人2回弱程度、治療を受けている。今のところ2割台の人ががんの兆候が消える「完全寛解(かんかい)(CR)」になったとみられる。

── 「2割」という数字をどう評価しているのか。

■すごいことだと受け止めている。CRは2割だが、部分寛解(PR)も含めれば6割強に達している。つまり3人に2人の患者はがんが小さくなるか、消えているという結果を得ている。現在の保険適用の対象は再発の頭頸部がんの患者で、平均余命は5~8カ月とみられていた。十分いい結果だと考えている。とはいえ、完治できなかった患者のことは忘れてはいけない。CRの割合を上げられるように努力しなければならない。

── 効果に個人差があるのか。

■がんの部位によって治療の成績が異なることが分かってきた。頭頸部の中でも、のどの奥の方にできるがんについてはものすごく治療成績が高い。部位によっては半分以上の患者が完全寛解した。どうしてこういう差が出るか解明しなければならない。

── 副作用は?

■がん細胞が一気に壊死(えし)する場合があるため、大量出血などに気をつける必要がある。大きな血管周囲の治療については見合わせており、現在は出血の副作用リスクはほぼないとみている。それ以外で一番大きいのは痛みや腫れだ。個人差が非常に大きく、原因を解明しなければならない。

前立腺がんへの応用目指す

── 他のがんについても保険適用を目指す考えは?

■光免疫療法はさまざまな部位のがんに対して応用できると考えているが、アキャルックスで治療可能な食…

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