インタビュー「宇宙デブリ除去で持続可能な開発環境を整備」岡田光信・アストロスケールHD社長兼CEO
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東証グロース市場に新規上場(6月5日)したアストロスケールホールディングス(HD)の岡田光信社長兼CEO(最高経営責任者)に、事業の見通しなどを聞いた。(聞き手=中西拓司・編集部)
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── スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去をビジネスモデルにしています。
■人工衛星の打ち上げが急増し、地球の軌道上は過密状態です。その一方、任務を終えたり、壊れたりした大量の人工衛星が軌道上に残り、欧州宇宙機関(ESA)の推計によると、ごみ(10センチ以上)は4万500個に上るとされます。ごみの除去のほか、衛星の寿命延長や保守点検などといったビジネスを「軌道上サービス」として確立したいと考えています。「宇宙のロードサービス」の展開を目指しています。
── こうしたビジネスモデルを思いついたきっかけは?
■私は40歳直前に、自分の人生に行き詰まりを感じるようになりました。いわゆる「中年の危機」とされる状態です。そのころ、宇宙飛行士の毛利衛さんからいただいた手書きのメッセージを見つけました。高校の時にもらったもので「宇宙は君たちの活躍するところ」と書かれていました。それを見た時、やりたいことは宇宙かもしれないと考えました。宇宙で何をやろうか模索している中、ごみ問題の解決策がないことを知り、それなら自分で解決しようと決意して2013年に起業しました。
── なぜ、ごみの除去は難しいのか?
■人工衛星でごみに近付いて磁石やロボットアームで捕獲し、大気圏に落下させて燃やす──という工程を目指しています。ただ、ごみは軌道上で秒速7~8キロで飛んでおり、近付くことさえ困難です。
「宇宙のロードサービス」目指す
── これまでの取り組みは?
■実証衛星を使い、50メートルの距離に近付いて、宇宙に漂うごみを撮影することに世界で初めて成功しました(写真)。日本が09年に打ち上げたロケットの残骸で、大型バス程度の大きさです。ごみに近付くことができたという意味で、非常に大きな最初の一歩です。
── 宇宙ごみの規制の動きは?
■日米などが批准している「宇宙条約」(1967年発効)では、ごみやデブリの規…
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週刊エコノミスト
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