宇宙ビジネスで注目15社 水野文也
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国内の宇宙関連ビジネスは現在約4兆円。政府は2030年代早期に8兆円への引き上げを目指しており、各社の関連ビジネスにも追い風が吹いている。(社名の後ろは証券コード)
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◆中核企業5社
三菱電機(6503) 人工衛星・搭載機器の雄
宇宙関連分野に進出したのは1960年代で、株式市場において「宇宙」にスポットが当たる場面においては常に注目を集めてきた。当初より、人工衛星などの運用に欠かせない地上管制設備や大型望遠鏡などの事業を展開。会社側によると、人工衛星は既に約70基の製造を担当したほか、人工衛星用の搭載機器は各国で計50基以上の人工衛星に搭載されているという。標準衛星プラットフォーム「DS2000」を開発、数多くの商用衛星を受注しており、今後もこの分野への期待が大きい。
富士電機(6504) 種子島で電力を安定供給
宇宙航空研究開発機構(JAXA)との絡みでは、設備の安定稼働を支援する「まるごとスマート保安サービス」を受注しているほか、共同で宇宙用半導体を開発するなど、堂々とした宇宙関連株だが、なんといっても注目されるのがJAXA種子島宇宙センターにおいて、電力供給を安定化させ、かつ最適化する大容量電力貯蔵システムに、同社の蓄電池制御技術が使われていることだろう。このところ株価は調整気味で、出遅れ感が強いものの、高値もみあいから抜けた後は一本立ちが期待できるチャートだ。
三菱重工業(7011) ロケット開発中心に各種製品
日本で最大級の技術開発メーカーである。国内では防衛省への納入実績においてトップ企業であり、宇宙で世界の軍事が広がりを見せれば活躍の場を広げるのは想像に難くない。宇宙関連では1960年代から、ロケット開発を中心に各種製品を開発。国際宇宙ステーション(ISS)計画で培った技術、国際協力関係の蓄積から、今後も商業民間宇宙ステーション、米国アルテミス計画、月周回ステーション(Gateway)、月面開発などにおいて存在感を増していくことになりそうだ。
川崎重工業(7012) 衛星守るフェアリングで存在感
主軸事業の一つとして「航空宇宙システムカンパニー」を掲げる。P1固定翼哨戒機及びC2輸送機など防衛省向けや、ボーイング787など民間航空機のプロジェクトに参画、わが国トップのヘリコプターメーカーとして知られるなど防衛・航空関連と…
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週刊エコノミスト
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