トランプ氏再選なら保護主義策 米経済はインフレ再加速も 松浦大将
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米国の企業収益の伸びは生成AIなどに絡む一部の大企業に限られ、それ以外の企業ではほとんど伸びていない。
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今年11月の米大統領選を巡って、情勢が日々大きく変動している。共和党候補のトランプ前大統領が銃撃事件に遭い、民主党は撤退を表明したバイデン大統領に代わってハリス副大統領が名乗りを上げた。世界最大の経済大国である米国の4年間を率いるリーダーとして、バイデン政権の路線を基本的に継承する方針のハリス氏に比べ、トランプ氏が当選した場合の変化はあまりに大きい。
バイデン政権は現在、米国で生じている経済や社会の問題に対処しきれているとは言いがたい。まず、足元の経済環境について確認すると、今年4〜6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率2.8%増と、米国経済の巡航速度といわれる潜在成長率(2%前後)を上回ったうえに、企業決算でも米企業全体でみた利益総額は拡大傾向が続いている。しかし、角度を変えるとその見え方は様変わりする。
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週刊エコノミスト
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