《長期金利》政府からの円安対策プレッシャーで利上げか 野地慎
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7月30、31日の日銀金融政策決定会合で、政策金利の0.25%までの引き上げが決定された。植田和男総裁は会合後の会見で、利上げの理由について「経済や物価のデータがオントラック(想定通り)だった」と述べたが、個人消費が伸び悩む現状でも「想定通り」なのであれば、今後の追加利上げも容易であると受け止められ、中短期債を中心に債券利回りは上昇した。
ただし、今回の利上げに関しては、正直なところ、円安是正のプレッシャー、つまり、政府からの圧力を受けた印象が強いように思われる。具体的に何が「想定通り」なのか、かなり漠然としており、賃金や消費に関する詳しい言及がなかったことを考えれば、今後は米国の利下げなどによって、円安圧力が弱まる局面で、経済が「想定より弱い」ことを理由に利上げを先延ばしにする公算も高いと考えられる。
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週刊エコノミスト
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