《原油》需要不安で70ドル台前半 小菅努
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米ニューヨークWTI原油先物相場は、1バレル=70ドル台前半まで下落している。世界の石油需要の鈍化リスクが警戒される中、戻り売り優勢の展開になった。7月と8月に発表された中国経済指標は、同国経済が急減速していることを示している。国際エネルギー機関(IEA)と石油輸出国機構(OPEC)が相次いで世界石油需要見通しを引き下げるなど、需要環境の急変に対応している。
夏の行楽シーズンが終了した後の需給緩和が警戒されているが、特に中国の石油需要環境が急変しており、石油化学など産業用需要の停滞が顕著になっている。中国政府は秋に何らかの景気対策を打ち出す見通しだが、9月は石油需要減少の加速が、原油相場の上値を圧迫する展開が続く見通しだ。70ドル台前半から中盤にコアレンジが切り下がろう。改めて相場が大きく上昇するとすれば、中東情勢の悪化や米国の大型ハリケーン来襲、森…
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