柔軟な銘柄選択で“令和のブラックマンデー”を乗り越えろ! 天海源一郎
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急落するも早速水準を取り戻した日経平均株価だが、物色される銘柄には変化が見られる。NISA投資家にとって「銘柄選択の柔軟性」が必要になりそうだ。
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8月5日に記録した、史上最大の下げ幅となる日経平均の4451円安(12.4%)という株価大暴落は、間違いなく「令和のブラックマンデー」だ。
元祖ブラックマンデーは1987年10月、米国のインフレ懸念が発端の世界株安を指し、日経平均は1日で3836円(14.9%安)も急落した。値幅では「令和」の方が大きいが、下落率では「昭和」の方が大きい。売られるからさらに売る、売買終了時刻にかけてその動きが強まったのは同様だった。
日銀が7月31日の会合で政策金利の引き上げを決定し、その後の会見で植田日銀総裁が利上げに対する「タカ派(利上げに積極的な)姿勢」を示したことがトリガーになった。実際には翌日の8月1日に「975円安」、翌々日は「2216円安」とすでに下げており、週が明けた5日の取引で、下落の最終局面という「パニック売り」が到来したという構図だ。為替市場でも急な円高が進行し、「円安株高」に向けられていた資金が「円高株安」への転換を恐れ、資金を逆回転させた。
「グロース株」反発顕著
ただし、株価の戻りも歴史的な早さとなった。8月30日(8月の最終売買日)の日経平均は3万8647円と、急落前の水準を早くも取り戻した。急反発が示すのは「日銀の利上げは一旦止まる」「ドル・円相場は際限なく円高にならない」、さらには「日本経済の堅調には変化がない」と投資家が考えているということだ。
一方、物色される銘柄には変化が見ら…
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週刊エコノミスト
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