株主優待銘柄の“総合利回り”トップはライザップ 山本泰三
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株主優待制度も銘柄選定の大きなポイント。配当や成長性とセットで考えれば、投資妙味はより増す。
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日銀が金利の引き上げを探る一方、米国は利下げ観測が流れており、日米の金利差の縮小が進めばドル安・円高が進み、日経平均株価の上値を抑える展開も予想される。1ドル=160円の場合、日経平均のレンジは3万5400~4万900円だったが、1ドル=140円水準なら3万2800~3万7900円と試算される。
日米金利の縮小傾向が予想される状況では、現状の1ドル=145円近辺から大きく円安方向に進む見通しは薄く、企業業績の上振れも期待しにくい。日経平均は相対的に上値余地が大きくなく、米国の金利の低下局面ということもあり、当面は軟調な展開が予想される。
調整局面が続けば、高い成長性と同時に、業績や配当が安定的なディフェンシブ性も備えた「成長・高株主還元企業」に注目が集まるだろう。
そこで今回は、①株主優待が目立つ、②株主優待と配当のバランスによる総合利回りが目立つ、③配当利回りが目立つ──という三つのカテゴリーごとに銘柄を選定するとともに、株主還元が削減されないように成長性の観点も含めて総合的に評価し、各5銘柄・計15銘柄を選んだ。利益が増えれば、株主還元も増え、利回りがさらに良くなるような企業も多く含まれていると考えている。
①のカテゴリーで最も総合利回りが高いのは、RIZAPグループ(2928)だ。株主優待もさることながら、スマートライフジム「chocoZAP」の急拡大も期待材料となる。NTT(9432)は長期保有が前提だが、dポイントとしてほぼ現金が付与され、保有1年未満でも配当利回りが高い。
ウェブ会議、テレワークなどの普及が追い風になりそうなのがストレージ王(2997)だ。業績面は好調で、株主優待制度を導入したばかりだ。ポート(7047)は、配当と株主優待との合計金額を2026年3月期も前期比で拡大する方針を早々に発表している。マーケティング支援会社のネオマーケティング(4196)は、意欲的な中期計画を推進しており、株主還元も手厚い。
株主優待と配当のバランスによる総合利回りを評価した②のカテゴリーでは、5.02%のクラウドワークス(3900)が注目される。増収・増益を継続しながら、成長投資の実行と株主還元の両立が可能な企業体質が一定程度…
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週刊エコノミスト
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