連続増配銘柄10傑&高配当銘柄10傑 窪田朋一郎
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配当性向の高い銘柄を選べば、定期的に配当金を受け取れるだけでなく、株価自体の値上がりも期待できる。
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東証が2023年、上場企業に対し、株価などを意識した経営方針に改善するよう要請したことを受け、大手企業を中心に配当性向の引き上げなど株主還元を強化する姿勢が一層強まっている。
さらに、新NISA(少額投資非課税制度)の開始で新たに投資を始める人が増えたこともあり、改めて「高配当銘柄」への注目が高まっている。ここでは直近3年間で増配・配当を維持している企業で、時価総額が大きい銘柄を中心に、金利復活や円高に強い高配当銘柄を調べた。
まず、コンスタントに増配を続ける上位10銘柄をピックアップした(表1)。最も長期間にわたって増配しているのは花王(4452)だ。1991年3月期以降、34年(期)連続で増配しており、23年度は1株当たり150円の配当を出している。来期の24年12月期も2円増となる152円を見込んでおり、「35期連続」への更新も見込まれる。
金利上昇局面ではリース系銘柄についても物色が進む可能性がある。三菱UFJリースと日立キャピタルが合併した、三菱HCキャピタル(8593)は25年連続で増配している。最低投資金額も10万円強と比較的安価で、初心者でも手を出しやすい。
一方、7月の追加利上げを受けてドル安・円高基調が進んでいる。円高メリットを享受できる銘柄の中でも、国内を中心に事業を展開する「内需株」なら悪影響を受けにくい。花王は、家庭用の洗濯用洗剤や台所用洗剤などを扱う内需株の筆頭で、円高になれば原材料価格低下の恩恵を受けるメリットもある。
MS&ADの成長性
金利高・円高に強い「高配当」銘柄も選んでみた(表2)。ここでは時価総額に一定の条件を設けるなど条件をつけ、配当利回り4%以上のものを選んだ。最も配当が高いのは、マンションの設計・施工などを手がける長谷工コーポレーション(1808)の4.9%だ。内需株の代表格といえる。
一方、「金利復活」というと、一般的には金融や保険、大手商社などの銘柄が連想されるが、銀行株のランクインは三井住友トラスト・ホールディングス(8309)だけにとどまった。メガバンクを中心とした銀行株は日銀の追加利上げ前から買いが先行しており、配当に関しては、すでにタイミングを逸しているかもしれない。例…
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週刊エコノミスト
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