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投資・運用 いまこそ始める日本株

インタビュー「対話と提案で早期の企業価値向上促す」草刈貴弘・カタリスト投資顧問共同社長

 公募型では国内初のアクティビスト(もの言う株主)ファンドに助言するカタリスト投信。草刈貴弘共同社長に、今年3件行った株主提案について聞いた。(聞き手=浜田健太郎/稲留正英/中西拓司・編集部)

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くさかり・たかひろ 1979年生まれ。舞台俳優として活動の後に2008年にさわかみ投信に入社。13年最高投資責任者。23年3月、ポートフォリオ・マネージャーとしてカタリスト投資顧問入社し、同年6月から現職。

── カタリスト投資顧問はマネックスグループの企業で、マネックス・アセットマネジメントが運用するマネックス・アクティビスト・ファンド(MAF、愛称:「日本の未来」)に助言している。

■MAFは、公募による個人向け投資信託では、国内で唯一のアクティビスト・ファンドだ。アクティビストといっても、一般的に知られている攻撃的なものではなく、投資先の企業と建設的な対話を行う「エンゲージメントファンド」である。個人投資家には、投資先企業の変革にどんどん参加してもらい、一緒に日本の資本市場の活性化を進めていこうというメッセージを込めて訴えている。

── どのような投資方針を掲げているのか。

■株価が理論価値(本来の企業価値)に対して割安な銘柄への「バリュー投資」が基本だ。健全なビジネスを持ち、潜在価値の発現が見込めることがポイントで単純な割安ではない。通常のアクティブ・バリュー投資は割安な状態が是正されることを待つ。MAFは投資先企業と対話し、できるだけ早期に割安な状態の解消と潜在価値の発現をさせたいと考えている。

── MAFは、しまむら、大日本印刷(DNP)、住友電設の3社が今年開催した定時株主総会で、それぞれ株主提案を行った。衣料品チェーン店を全国展開するしまむらには、2025年2月期末の配当からDOE(株主資本配当率)5%とする定款変更の提案を行った。

■しまむらのビジネスは優れており、ROE(株主資本利益率)は9%近くと問題ないように見える。だが、資本効率には改善の余地がある。株主提案を行った頃の株式時価総額(4月12日時点)の約5500億円に対して、現預金・有価証券・投資有価証券が約3000億円と半分以上を占めていた。新規出店などに必要な資金を考慮しても、現金が過剰に蓄積されていたのは明らかだった。資本効率を意識して経営すれば、株式市場の評価は高まり、時価総額も増え、多くのステークホルダーがウィンウィンになれると訴えた。(編集注:株主提案への賛成率は13.4%)

「世襲」への株主の反応

── DNPには、経営学者で一橋ビジネススクール特任教授の楠木…

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