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インタビュー「営業員の個人目標を廃止したら退職者が減少した」浜本吉郎・みずほ証券社長
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働き方改革を進めるみずほ証券。日米のマクロ経済や金融市場の動向を含め浜本吉郎社長に聞いた。(聞き手=浜條元保・編集部)
はまもと・よしろう 1967年生まれ。90年慶応義塾大学経済学部卒業。同年、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。みずほ証券常務執行役員などを経て、2021年4月から現職。
── 米国が利下げを始める一方で、日本は利上げに動いている。
■現在の米国は、インフレの沈静化を金融市場が織り込み、その期待を先取りするようにFRB(連邦準備制度理事会)が9月、通常の2回分にあたる0.5%の利下げを実施した。確かに景気は若干スローダウンしてきている。だが、人手不足や物流分野でのストライキなど、サプライサイド(供給側)のボトルネックは残ったままだ。インフレ圧力は依然、根強いと見ている。このため需要が徐々に弱まっていく一方で、コストプッシュ要因によるインフレの力もあり、その綱引きをしている状況だ。
マーケットが米国の利下げを織り込み過ぎている。年内に0.25%の利下げを2回、年明け以降は四半期ごとに0.25%ずつ下げていくシナリオが有力だが、私はそこまで物価が下落していくファンダメンタル(経済の基礎的条件)かというと、すごく疑問だ。
── 日本はどうなのか。
■賃上げが来年でやっと3年目に入れるという状況だ。「金利正常化」にも動き出したばかり。恒常的な物価上昇が賃金をしっかり押し上げ、それが家計の消費や企業の投資に回るという好循環を作り上げていくことが大切だ。私は日銀の利上げペースはかなりスローになると見ている。
── 日本株への関心は?
■毎年9月に開催している当社主催の「ジャパン・アルファ・コンファレンス」には、海外投資家約300人を含む380人超の投資家と、200社以上の日本企業が参加して、1週間で1500超の個別ミーティングが行われた。人気企業には定員の3倍を超える申し込みがあっ…
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週刊エコノミスト
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