創業者・中興の祖の言葉に学ぶ経営 構成=浜田健太郎・編集部
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9人の著作から知恵を学ぶ。(敬称略、構成=浜田健太郎・編集部)
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日立
・川村隆(2009〜10年会長兼社長)
「再生するための原則は次の二つです。
・出血を止める
・キャッシュを生む事業を見つける。(中略)削ってばかりいると現場の士気は落ちてしまいます。はやり、『今後、我々はこの事業に重点を置いていく』といった、前向きな改革も同時に行わなければなりません」
(『ザ・ラストマン』、角川新書、2021年)
・中西宏明(社長・CEO在任2010~16年)
「100年も会社をやっていると、社内にゾンビ事業が数多く生まれていくんです。この社内のゾンビ事業を、どういう形で潰していくのが、一番いいのか。(中略)成長事業を伸ばすのと、ゾンビ事業を潰すのと天秤(てんびん)でバランスを取りながら行わないといけなかった」
(『社長の条件』、冨山和彦氏との共著、文藝春秋、2019年)
・東原敏昭(社長・CEO在任2014~22年)
「グループ企業の株式を売却し、グループを去ってもらうには、心情的には辛いことでした。(中略)『なぜ東原は業績のいい会社を売ったりするのか』と反対するささやきも聞こえてきました。逆なのです。業績がよいからこそ、今のうちに売るのです」
(『日立の壁』、東洋経済新報社、2023年)
ソニー
・盛田昭夫(1946年、井深大と東京通信工業〈現ソニーグループ〉設立)
「『10万個注文します』(中略)そのうち彼は、一つ条件があると言い出した。その条件とは、このトランジスタラジオにブローバ社の商標をつけてほしいというものだった。
途端に私の興奮はさめた。わが社は決して他社の下請けメーカーにだけはなるまい、と私は心に誓っていた。自社の製品を自社の名前で売って世界に名をあげたいのだ」
(『MADE IN JAPAN わが体験的国際戦略』、朝日文庫、1990年)
・出井伸之(社長・CEO在任1995~2005年)
「インターネットによって、人とモノがつながっていく。情報は平均化され、フラット化が起きる。(中略)こうした大変化の根本は何かといえば、“有形資産”から“無形資産”への大転換が起こるということです」(『人生の経営』、小学館新書、2022年)
・平井一夫(社長兼CEO在任2012~18年)
「新しい時代のソニーが向かうべき方向性を示す言葉を、私は見つけな…
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週刊エコノミスト
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